反応性固相エピタキシャル成長法:層状構造を有する酸化物の強力なエピタキシャル成長方法

Reactive Solid-Phase Epitaxy: A Powerful Method for Layered Oxide Heteroepitaxy
[Adv. Funct. Mater. 2003/ Science 2003/ J. Appl. Phys. 2004/ Mater. Sci. Eng. B 2009/ Cryst. Growth Des. 2010]

rspeigzo

イオン結晶である酸化物の作り出す自然超格子構造を簡単に作ることができる反応性固相エピタキシャル成長法です。例えば、InGaO3(ZnO)mというホモロガス結晶の場合、基板上に2 nm程度の極薄ZnO薄膜をエピタキシャル成長させておき、その上にアモルファスのInGaO3(ZnO)mを厚く堆積させて、真空チャンバーから取り出し(写真a)、薄膜表面をYSZ板で覆ってから電気炉で加熱するだけで、綺麗な自然超格子が作製できます(写真b: 800℃、写真c: 1000℃、写真c: 1400℃)。一緒に研究をしていた野村研二 博士(東工大)はこの手法で作製した単結晶InGaO3(ZnO)5薄膜を用いて多結晶シリコンTFTに匹敵する移動度を有する透明TFTの開発に成功しました。平松秀典 博士(ERATO-SORST)はこの手法を酸硫化物LaCuOSに応用し、高品質エピタキシャル薄膜の作製に成功しました。(ERATO細野透明電子活性プロジェクト)